自分用ボトルレター

人は好きなもののことを語っていると生き生きとするし生き生きとした人を見るとおっ生きてるなと思うので生きていた痕跡を残していきたい

推しとスイーツビュッフェに行った話・前

正確には「推しが開催したファンイベントの会場がホテルのスイーツビュッフェだった話」だ。

 

別にここからは愚痴とかおもしろとかもなくレポにもならない私の日記が続く。

私事だがこの記事を編集している数時間前に事故で頭にけがを負った。一応で呼んだ救急隊員さんに「記憶はありますか?」と聞かれたので頭を打って記憶を失くすってけっこうあるあるなのかと思ったりした。ここから下の文章は書き溜めたやつだけど、そうやって記憶を失ったときにも役に立つのかなと思った。

前になにかやろうと思ってここのアカウントを作ったみたいだ。なにをしようと思ったのかは忘れた。たぶん「この時期にこんなことにハマっていたんだな」とあとから思い返せるようにしておきたかったんだろう。忘れてるけど

 

ここで言う「推し」「最推し」「てっちゃんさん」は全部「岩永徹也」さんのことを指しているのだけれど、その説明からまずしないといけないだろう、未来で記憶喪失になった自分が思い出せるようにしっかり書いておいてほしい。

推しこと岩永徹也さん、身長は186.4cmでクイズ番組などではIQが高いことで知られている。私は仮面ライダーエグゼイドでこの人のことを知った、早くイベントの話を書きたいのでこのぐらいにしておきたい。

推しは現在事務所には所属しておらずフリーで活動中だ、たしか、たぶん。それで2023年の7月7日七夕の日にファニコンでファンクラブを開設した。

そのファンクラブで開催したイベントが今回の話だ、開設してから何回目のイベントだろう、ちょっと数えるから待って

ファニコンの購入履歴だけなら4回目のイベントだった。でも今回は2daysだから前日を含めると5回目のイベントになるのかな。外部のゲストだったりなんだりを合わせたらもうちょっとあるがかなりハイペースだと思う。

人間には「遊んで回復するタイプ」が存在すると聞くので推しはそのタイプなんだと思う、そうでなければファンの生命力を吸って回復してるとしか思えない、実際は半々なんだろう。

 

推しはイベント名を日付の語呂合わせで付けている、今回のイベントは2/11の「ニ」「ジュウイチ」から「21番目の片思い」という名前が付けられた。ちなみに前日2/10のイベントは「二兎を追う者は兎好き」という名前だ。

迷宮なしの名探偵の劇場版みたいなタイトルだ、推しはコナンくんも大好きなので同じことを言っていた気がする。

推しはクイズと謎解きが好きでファンクラブやTwitter(現X)でもたまに出題をしている。私は浅学で頭の回転も遅いため正答を出せたことはないが考えるのは楽しいので推しが頭の運動をさせようとしてくれるのは嬉しい。ただ正解者が出るまで正解を発表しないところがあるので未だに正解のわからないクイズもあるから困る。あれって結局答えなんなんですか

そんな推しがこの「21番目の片思い」では行き先のわからないミステリーツアーならぬミステリーデートをしたいのだとイベント発表のタイミングかどっかで言っていた。「ミステリーツアーとかもやりたいよね」といつだかの配信で発言していたから実際に企画したんだろう、推しはかなり頻繁にファニコン内でラジオ配信をしてくれるのだが、その中での「これやりたい」は願望や社交辞令ではなくやることリストを我々に教えてくれているものと思っていい。

内容のわからないイベントというのはなかなか楽しそうで良い、コナンくんだったら間違いなく事件が発生するが推しはコナンくんじゃないから大丈夫だろう。ミステリーストロベリーデートというからには推しも大好きないちごに関するイベントなんだろうな…コロナ禍前にいちご狩りイベントの計画もあったらしいからリベンジいちご狩りデートイベントかもしれデート??????

私にはデートがわからぬ。ホラを吹き、ネットであそんで暮らしてきた。

私自身自分が推しをどう推してるかわからずに過ごしているためガチ恋勢がどの程度の割合で存在しているのかわかっていない。イベントでデート企画をするくらいだからきっとそれなりの割合なのだろう。

前々から配信やグルチャで我々に愛を囁いているとは思っていたが、まさかデートまでする仲になるとは思わなかった。これじゃ本格的に遠距離カップルじゃないか。

また自分の話になるが、最初から自分の話なんだが、地方に住んでいる私は推しのイベントがあるたびに飛行機で東京に向かっている、なんかホテルとセットで安くなるバグが発生しているのでイベントのたびに飛行機に乗って脳内で歩美ちゃんが「もぉコナンくん見ないで」と言っているのを聞きながら耳抜きをしている。すごいどうでもいい話

 

デートはともかく、ミステリーは絶対に楽しい予感がする、絶対に行きたい。

しかし推しが活動を再開してからというもの出費が重なりすぎて残高が悲鳴を上げていた、強欲のオタク私の人格を埋めてカサ増しした残高でなんとか生活しようと決めたのになんてったって二日間開催だ。推しは埋めた人格の上にかけたコンクリートが固まる隙を与えてくれない。

本当に、なんなら12月時点では次からイベント参加を控えようぐらい考えていたのだ、2月は誕生月だからそこでイベントがあればそれは参加しようかな…とか思っていたのだ、まさか二日間も開催してくれるなんて思っていない憐れなかわいい我が子だ、おまえにオタクが救えるか。

遠征では必ず前日入りしている、昼夜逆転生活をしているため大事な本番の最中に眠くならないようにする必要がある。帰りはイベント翌日にしている、終了時刻が夜になると帰る手段がなくなる。

となると、両日参加するならば三泊四日だ、そこにチケット代がプラスされる、無理だ。行きたいと行けるは別だ。やりたいとやれるは別だ。愚かにも推しの前で正気を保てるなどと錯覚したオタクの控える宣言ではあるものの無を有にはできない。無い袖は振れない。振りたかったな、ソデ。

でも、それでもこのミステリーデートには参加したい。

一応だけど推しのファンイベントチケットは抽選販売を実施している、会場規模と申し込み人数によってはチケットが用意されないこともあるのでそこに賭けるとしよう。

倍率が高いだろう二日目のイベントに申し込んで、当たったら行こう。チケットが用意されたら行くしかないもんね作戦だ。

 

結果は書かなくてもいいだろう。当落発表から飛行機の検索をしたが、今回は月曜が祝日の三連休だからなのかいつも乗っている時間帯は追加料金がかかるようになっていた。

オタクはいつでも金欠だ、地方のオタクは遠征費で推し以外のところにお金がかかる、まあでも推しも新幹線や飛行機を使うからその整備費用や燃料費や人件費で推しを安全確実に送り届けてもらえると思えば惜しくないという気持ちでいたい。

実は推しがイギリス留学で芸能活動をお休みしていた時期に東京の劇団を推し増してしまったので高頻度で東京に飛んでいる。もう住めよ関東圏に。でも引っ越しの金もないしな…

とにかく朝の時間帯は追加料金がかかるようになっていた、こいつがまあまあかかる、惜しくない気持ちでいたいだけなのでふつうに惜しい。なにがなんでも行かなければ首が飛ぶということもないからゆっくり行こう。

二日目のイベントに合わせて休みを取ったので一日目のイベント当日に飛ぶ、一日目のチケットの一般販売があるのでそれに間に合いそうな時間に着くならチケット買おうか…なんて考えていたけど羽田着が17時ごろだったので諦めた。

 

なにもかもが秘匿されたイベント詳細、ある日推しからメッセージが届いた。

ファニコンには1on1というDMのような機能がある。実際に推しが見ているのかはわからないが既読は付く。既読が付くということを別のイベントでこれに情報を送る機会ができたときに知った。

そこに謎の画像が届いた。いくつかのアルファベットと数字が散りばめられた画像だった。

暗号だった。推し曰くこれらを正しく並び替えると集合時間と場所の名前と郵便番号がわかるということだった。おもしれえじゃねえか……

なにもかも秘匿されていたとはいえ事前情報として東京駅から30分で着く場所に集合するとは言われていた、まあ…候補はありすぎるほどにあるけどね…

ちなみにこの暗号は届いたその日に解いた人がいた。私以外のファンのみなさんは推しに似て素晴らしい才能を持った人が多い、推しに似て優しい人も多い。

私は前述の通り頭の回転が遅いので暗号は解けなかった。集合場所にはたどり着けなかった…。おわり

 

なんてことはなく、後日きちんとした招待状がメッセージで送られてきた。推しは仲間を見捨てねえ…!

待ち合わせは12時に舞浜駅近くのショップになっていた。

12時は予想してなかったな~あとで他の人からチケットには開催時間の記載があったと聞いた、そこは見てなかったな…単なる目安でしかないだろうとも思っていたしそりゃ解けないはずだわ移動時間のこと考えたらきっと都内なんだろうなって思っ舞浜??

まいはま??MAIHAMA??

ハーモニーなランドのほうが近い地方に住んでる私だが魔法で出来てるランドが舞浜にあることは知っている、デートで行った人も多いのではないだろうか、推しと舞浜で待ち合わせをする機会なんてそう何度も訪れるものではない。多分最初で最後だ。

でも待ち合わせの時間と場所がわかっただけだ、ランドなんて一言も言ってない、ここからなんか広い公園とか行ってフリスビーで遊んだりしたって驚かないぜという気持ちを強めていった準備期間だった。

ていうかランドだったりしたら推しとランドを同時に楽しめる自信がない。ランドのことはテレビやネットで伝え聞く程度にしか知らないけれど世界観の作り込みがエグいことは知っている。ドラマでも映画でも背景やセットが作り込まれてるものがだいすきなのに生きてるランドに放り込まれたら最後推しとはぐれる自信しかない。それはもう個人的にランドに行ったほうがいいんだ絶対に。

 

とある会場まですこし歩きますので温かい恰好をしてきてください、というのが推しからの最後の情報開示だった。オーケーわかったとりあえず公園の青空イベントではなさそうだ。

イベントに行くオタクの悩みは尽きない。服を選ぶときもジャンルやなんやの数値が出てくれればいいのにと思いながら服を選ぶ、ありがたいことに推しはブランドとのコラボで服を出してくれているのでなんならそれらを一式着て行ってもいいだろうが、それらをいい感じに合わせられる技術が私にはない。

デートっぽさってなんなんだよ…悩みながら結局無地のワンピースにした、たぶんユニクロで買ったやつだ。

メイクだってよくわからない。ここ最近急に興味がわいて美容系配信者の動画なんかを見たりなどしてはいるが「こうなりたい」の展望がないためにぼんやりとした知識しか得られていない。でも推しの顔にどんな意図でこのメイクがされているかみたいなのがぼんやりでもわかるようになったのが良かった。

アーティストのライブだったりしたら「推しからはどうせ顔見えんやろ」で妥協できてしまうがこっちの推しは信じられんほどの距離感で会話をするのでそういうわけにもいかないのが辛いところだ。見えん距離からだってオタクは全力尽くすのに見える距離なんてどうすればいいんだよ

タイミングが悪いことにその日は日曜日で、推しのことを知るきっかけにもなった日曜朝の番組も毎週かかさずリアタイしている、プリキュアは新番組の第1話だしごめんうそ2話です戦隊は終盤のめちゃくちゃに盛り上がる最終決戦であった。情緒はドンガラガッシャンである

集合は12時、ニチアサを見終わるのが10時だ、準備時間はほぼ1時間、さすがにプリキュアが始まるまでにベースメイクぐらいは済ませているものの心許ない時間だ、飯を食えないと見終わってから気付いた。

顔面の出来は正直よくわからない、不器用だから髪の毛だってくっしゃくしゃだ、でも推しだってくっしゃくしゃのネクタイでイベント出てきたりしたから、まあ、多少は許してくれるだろう。慢心なのか傲慢なのか諦観なのかよくわからない。

 

舞浜へ向かう電車へと乗った、同じ目的地の人たちは朝のうちに乗るのだろうか、車内はかなりすいていた。冬らしくもなく暖かくてなんなら窓から差し込む日光で暑いとすら感じていた。

よく晴れていてスカイツリーも綺麗に見えた、元々の色なのか晴れてるわりに彩度が低くてコラみたいでつい凝視してしまった、帰りも同じ色をしていたからコラだったかもしれない。

臨海公園が近付いてくると観覧車が見えた、推しは高いところが苦手だけど観覧車はどうだろう、なにかで言っていた気がするけどパッと思い出せない、デートイベント的には観覧車でタイマンの時間をとってもおかしくないなとは思うが。考えただけで怖くなった

いよいよ舞浜駅にたどり着いた。思っていたほど混んではいなくて、まあそれでも人は多くてライブがある日の東京ドームシティぐらいの賑わいがあった。

けっこう余裕めに着いて飯が食えるぞ! と思った私は目についたコーヒーショップに滑り込んだ、なんか肉とかチーズとか挟まれてるパン的なものを食べたと思う。そうだ、食事は出ますと推しは言ってたな、それまでのイベントでもお菓子食べ放題みたいな感じだったしモルモットのみなさんもめいめいにお菓子を持ち寄ったりしていたのでそういう感じなんだろう、というかこの時間だと朝ごはんじゃなくて昼ごはんだな。

とか余裕ぶっこいてたら待ち合わせ時間の5分前とかになっていた、土地勘のない場所でどうしてこんな油断をするのだろうか。

モルモットのみなさんと合流できるかすら不安だったけれど、着いてみれば知った顔がたくさんいて安心した。ちなみに「モルモット」というのは推しのファンネームなのだが、推しはファンのことをお花とか妖精とかだと思ってるらしいからいまだにモルモットという呼称が正しいのかわかっていない。黎斗くんを推しているファンはモルモットなんだけど…まあかわいいからな、モルモット。

 

集合時間になったが、推しの姿は無い。どうやって登場するか毎回わからない推し、前フリなくぬるっと現れてイベントが始まることもままある。

大人しく待っていたらふと「てっちゃんまんを探せ!?」という声が聞こえてきた。グルチャの投稿で確かに推しが「てっちゃんまんを探せ!」と言っていた。おもしれえじゃねえか……

ショップの前で集合していた我々は推しの姿を探した、186㎝で長髪ブロンドの推しが紛れる余地が日本にあるのかよ、外では見つからなかったので「店内かな?」と探しに入っていった。

でも集合時間前にここで買い物をしていたモルモットもいる、それをかいくぐって店内に潜んでいたというならすごいことだ。背が高いから逆に小さくなってるかもしれない、とか天井に張り付いてるかもしれない、とか言いながら探す。「あれ!?」と聞こえて視線の先を見ると金髪で赤いコートの人がふらふら歩いてるのが見えた。

ウワ~! と近寄っていくと振り返った推しはゴキゲンなサングラスをかけていて手には「岩永徹也ファンイベント集合場所」と書かれたカードケースを持っていた。

つい「ウィリー・ウォンカだ!」と言ってしまった。園内でしか付けないようなゴキゲンなサングラスにスタイルのいい高身長と赤いコートが抜群に似合っていた。フィクションみたいだった。

「大きいからすぐに気付いた? 中腰で歩いてればよかったかな」と中腰で歩くポーズをする推しに「それはそれで不審者ですね…」と返す。「そっか~」と言いながら推しが店外へ出ていくのについていった。

カードケースの裏側に元々入っていた台紙がそのまま入っていて好(ハオ)…と思った。

無事に合流できた推しとモルモットたち、推しが人数を確認しようと数えるけれどいかんせんショップ前なので他のお客さんもいて数えられないようだった。推しは数えるのを諦めてチケットの整理番号順で点呼した。

整理番号どころかチケットの確認すらしてなかったなと気付いたのはこのときだった。電子チケットだから発券の必要もないし、整理番号順で入場するタイプのイベントでもなさそうだったので。

たしか13番とかだった気がする、これに関してはイベントが終わったいま確かめる術がない。

確認が終わって会場に移動することになった、先頭が推しで集合場所のA3カードケースをかかげながら歩いていく。いや途中からモルモットの手に渡っていた気がする。コミケの最後尾札みたいだ。推しが現れる前に「御一行の旗持って先導してほしいね」みたいな話をしていたが、半分正解だろこれ。

駅の方向に歩いて向かっている途中、見たことのある人がこちらにスマホを向けているのが見えた。よく見たらいつもイベント会場で物販やなんやモルモットの世話をしてくださっているお姉さんだった。お姉さん~! なんか別の記念写真かと思ってよけちゃったごめんなさい!

岩永徹也御一行は舞浜駅を通り過ぎてその先の駅へと入っていく。

 

「それではここで電車に乗りま~す。みなさん電車って知ってますか?

大好きなてっちゃんさん語録だ。オタクというか私はさもみなさんご存じというていで話を進めてしまうが、推しは知らない人がいるかもしれないことを考慮して話してくれる。C末端とかN末端の解説はしてくれないけど。

会場まで電車で移動するみたいだ、さっき朝ごはん食べてるときにずっと目の前をぐるぐると走っていたあの丸三つの窓のきらきらラッピングのあの電車に乗るらしい。

え!? あの電車に乗るんですか!?

 

後半へつづく